本宮の「鶏合わせ」神事を終えると節句祭の祭典行事は全て終了します。
氏子屋台の引取りを前に、各町の「木方」と呼ばれる壮年が勅使塚を囲み、手にした拍子木を一斉に打ち鳴らします。
これを「打ち別れ」といい、互いの労をねぎらい、来年への再会を誓い合う意味が込められています。
「鶏合わせ」の勝敗が両郷の宮入りと宮出しの順番を左右していた時代を終え、近年は互いの申し合わせにより、毎年交互の順番で住吉神社をあとにします。
帰省蔵の遠い順より宮出しされる習慣は昔ながらに踏襲され、各町屋台の最後の拝殿敬礼を見守ることのできる束の間の舞台が繰り広げられます。
「氏子の栄を祈りつつ、寿ぎ祝う万々歳」と囃される練り子の思いが、最後の願いとなって神前に奉納される姿を見守る時、観衆の心に去来する「愛郷心」と、練り子の心意気が一体となり感動を生み出します。
氏子屋台は高張り提灯の灯火を先導に、拝殿、そして随身門の前で敬礼。
大鳥居を出た参道前にて最後の敬礼を告げてから「千秋楽」の途につきます。

花冷えの夜空を打ち破る太鼓の響きが幾重にも重なり、投光器の照明に映し出された幻想的な屋台の残像が境内の闇を包み込みます。一台、また一台と住吉神社をあとにする屋台の姿を見送る観衆もまた、それぞれの帰路につき始めます。
ロッケ、ロッケ、ロケー! 千秋ロケー!
「千秋楽」の「楽」の語音が訛ったとされる独特の掛け声に囃されながら氏子屋台は帰省蔵を目指します。
千秋楽の夜に名残りを惜しむ御旅町屋台(左)と本町屋台(右)

栗田大日堂前での打ち別れ(栗田・古坂・横尾)








旧北野食品前での打ち別れ(本町・南町・御旅町)
鳥居前にて最後の敬礼を行う東高室屋台(左)と横尾屋台(右)
勅使塚に集まった各町木方による打ち別れ